【試験研究】第一原理計算セットアップ(2):PCセットアップ, (2) PC setup for VASP

PCの購入

  • PCは普通のPCを買いました。DOS/Vパラダイスで注文。値段は送料込みで21万円ちょっと。納期は3日程度だった。メモリの価格が下がっているとか、PCの販売台数が落ち込んでいるとかいう報道があるので、そのせいかもしれない。スペックは下記のとおり。
    • ミニタワー:Magnate XV 第13世代Core
    • Intel Core i7-13700F, グリスとファンは少しアップグレード
    • 32GB (16GBx2) DDR4-3200, 500GB SSD (NVMe Gen3)
    • NVIDIA GeForce RTX3060 12GB GDDR6
    • DVDドライブ、5インチベイ小物入れつき
  • 選び方の方針は下記のとおり。
    • CPUはIntel Core i7を選ぶ。数値計算ライブラリIntel MKLがインテルCPUに特化しているため。
    • Xeonのほうが同世代だと少し速いし、パリティ付きのメモリが選べるので安心というメリットがあるのは分かるが、Xeonは価格が高いのでパス。
    • 計算が始まると、CPUファンが回り続けるようになったりするので、放熱は強化しておく。
    • メモリは32GB。これ以上のメモリが必要な計算をするときは、そのときに考える。
    • SSDは500GBytesにしておいた。Gaussianのように、計算途中の結果を細かなファイルで出力するソフトウェアだと、大容量高速のストレージが必要だが、VASPはそうでもない。
    • VASPはCUDAをサポートするようになって、高速化できるようになった。しかし、Vaskwikiの OpenACC GPU port of VASPのページには、NVIDIAのP100, V100, A100, GV100, GP100が必要であると書かれている。これ以外のGPUでは、高速の64bit浮動小数点演算ができないらしい。NVIDIAGPUは在庫切れの場合が多いので、今回はGeForce製品で高速化はできるのか試してみる。
    • DVDドライブと小物入れは、あったほうがいいのでつけておいた。インストールメディアを入れておいたりできる。
    • ミニタワーにしたのは、Core i7 + GPUの組み合わせで小型のものがミニタワーだったため。GPUがあると、電源容量の問題と放熱の問題でミニタワーかミドルタワーになるようです。

 

Ubuntuのインストール

 Linuxでの運用を行うときには、どのディストリビューションを使うのかを選ばなければなりません。Debianディストリビューションの一つであるUbuntuにしました。理由はメジャーだからというのと、いま運用しているサーバーがUbuntuだからです。

  • ubuntuのLTS(5年サポートしてくれるもの)を用意する。2023年9月時点で、22.04.3が使える。デスクトップ版とサーバー版があるが、GUIがついているデスクトップ版を使う。
  • ubuntu-22.04.3-desktop-amd64.isoを、ダウンロードした。本家からダウンロードしてもよいが、非常に遅いときがある。日本語関係のパッケージを足したものがUbuntu Japanese Teamから配布されているが、使わなかった。日本語は基本的に使わない。たとえば北陸先端大学のダウンロードサイトは下記。

    http://ftp.jaist.ac.jp/pub/Linux/ubuntu-releases/

  • インストール用USBメモリを作成。ダウンロードしたUbuntuのイメージがisoファイルだったのでDVD-Rに書き込めると思いきや、サイズが微妙に大きく、単層DVD-Rに書き込めなかった。Rufusというフリーソフトで、ブート可能な(ブータブルな)USBメモリを作って書き込んだ。円盤に書き込んで立ち上げる時代は終わったということか。
    • ブートファイルはISOファイルを指定する。
    • パーティション構成」はGPTとした。「ターゲットシステム」は「UEFI」となった。
  • Ubuntuインストール。
    • GNU GRUBブートローダー)が起動する。「Ubuntu (safe graphics)」を選択。
    • "Welcome" 画面では、"English" でインストール。ホームに日本語のディレクトリ(「デスクトップ」とか「ドキュメント」)を作成してほしくないから。
    • ”Keyboard layout" 画面では、左側で "Japanese", 続けて右側で "Japanese" を選択。
    • "Updates and other software" では、"Minimal Instllation" を選択。その下の "Install third-party software for graphics and Wifi..." を選択。これを選んでおかないと、グラボのドライバがインストールされないので、インストール終了後にウィンドゥが出ない。下にある "Configure Secure Boot" のチェックは外しておく。
    • ”Installation type" は、"Erase disk and install Ubuntu" を選択。何回かインストールテストをした後だったので、ディスク上に古いイメージがあった。これを消すため。”Write the changes to disk?" と聞かれるので、 [Continue]で次へ。
    • ”Where are you?" で、timezoneを聞かれるので、地図上で東京を選択。
    • ”Who are you?" で、ユーザー名やパスワードを聞かれるので設定。”Requre my password to login" にチェックを入れておく。
    • インストール開始。あとは流れ作業。Restartして、メディアを抜く。
  • Ubuntuのセットアップをする。
    • ネットワーク設定をする。画面右上のところのメニューに "Settings" があるので、そこをクリックし、IPアドレス、ネットマスク、DNSの設定などをする。
    • Firefoxが使えるはずなので、youtubeなどを再生して接続を確認する。
    • updateする。[Win]キーを押して "Command" と押すと「端末」がメニューに出る。右クリックして、 "My Fovorite" にしておくと、左側のメニューに「端末」がセットされ、次回からの起動が便利になる。
    • 「端末」から、"sudo apt update" [Enter], "sudo apt upgrade" [Enter] としてソフトウェアを最新にする。
    • 外部からログインするためにsshを入れる。"sudo apt install openssh-client" [Enter] とする。すでに入っていて、最新だと言われるはず。続いて、"sudo apt install openssh-server" [Eneter]とする。ssh serverがインストールされる。
    • SSHの設定をする。"sudo vi /etc/ssh/sshd_config" [Enter]として、sshd_configを編集する。
      • "PermitRootLogin no"
      • "PermitEmptyPasswords no"
      • "MaxAuthTries 6"
      • "Port xxxx" (xxxx)は適当な数値。22でないほうがよい。 
      • 組織外からの接続をする場合や、セキュリティを高めたいときは公開鍵暗号の設定をする。(いろいろなサイトに解説がある)
    • "sudo service ssh restart" [Enter] としてssh サーバーを起動する。他のサーバーからログインできることを確認。
    • その他、"sudo apt install xxx"により、xxx = emacs, gcc, cmake, pkg-config, build-essential, slurm-wml をインストールした。pythonも入っていないので、インストールしたら記述を追加する予定。