ランプ光源には大きく分けて2つあり、1つは黒体輻射を用いるハロゲンランプ、もう1つは放電現象を用いる放電管です。
ハロゲンランプは白熱電球(今はほとんどLEDに置き換えられていますが)の1種です。タングステンフィラメントからの黒体輻射で光ります。ガラス管球の中には、ヨウ素や塩素といったハロゲンガスが封入されており、それによって生じるハロゲンサイクルと呼ばれるもので、長寿命化されています。しかし、大出力にすると、光よりも熱になる部分が大きくなるため、明るさに限界があったり、紫外光(400nm以下) の光の成分が弱いという問題があります。そこで、効率よく明るい光を得るために放電管が使われます。放電管は、管球の中に封じられたガスによって発光する波長パターンが異なります。
今回は、紫外線の短波長側、具体的には190nm~600nm領域での明るい連続スペクトルが欲しかったので、キセノンランプとそのランプハウスを購入しました。キセノンランプは浜松ホトニクスのL2175を、ランプハウスは光軸調整もできるE7536を購入しました。二つ合わせて50万円でおつりぐらいです。
L2175ではありませんが、同じ浜松ホトニクスの150Wキセノンランプ光源のスペクトルは下記です。700nmから長波長側に輝線があります。あとは470nmに少しピークがあります。400nm以下はつるんとしています。L2175は保証寿命1200時間、平均寿命2500時間です。また、放電管なので出力が安定するまでに10分ほどの暖気が必要です。

組み立てたのですが、結論はこんな感じです。
- 組み立てはとても簡単
- 光軸合わせも簡単
- これまで使っていたランプハウスE2419は熱くて大変でしたが、E7536は外側の温度は40℃にもならないぐらいで取り扱いが安全。
- キセノンランプL2175はオゾンを発生します。それなりにオゾン臭がします。使い始めはそれほどでもなかったのですが…。ハイターの臭いはそれほど不快ではないという人は大丈夫です。
最後に、「どうして紫外線光源に重水素ランプを採用しなかったのか?」と疑問に思われる方もいると思います。実は、浜松ホトニクスの重水素ランプ光源L11798 (MgF2窓) も持っているのです。前方に鋭い強度分布をもつタイプのものです。しかし、180nm~400nmの出力が物足りないので購入しました。キセノンランプのほうも、使用感について追記できることがあれば追記します。
組み立て手順



