【雑記】マジェスティSのサーモスタット交換

 マジェスティSはヤマハの155ccスクーターです。先日、エンジンの赤ランプがつきました。冷却水の温度が110℃以上になったという警告です。なお、マジェスティSはすでに廃番になっています。私が乗っているのは初期型のマジェスティSで、走行距離は9万キロぐらいです。冷却水の警告灯の点灯は初めてです。

 マジェスティSには水温計がありません。安心のため、私はKOSOの水温計をつけています。エンジンの温度は85℃ぐらいで動くように作られているらしく、95℃ぐらいで冷却水が流れて75℃ぐらいまで冷やすというふうに水温制御されています。これを実現しているのがサーモスタットで、中に水温によって伸び縮みするバネが入っており、このバネが冷却水のバルブを開閉しています。なお、冷却水(クーラント)は自動車と同じで、エチレングリコール添加の不凍液です。マジェスティSのものは緑色に着色されたものが入っています。

 さて、冷却水系が温度上昇する可能性として考えられるのは、

  1. エンジンのガスケットから冷却水が燃焼系に漏れた(昔、この理由でリコールがありました)
  2. ウォーターポンプが壊れた
  3. サーモスタットが不調か壊れた
  4. 冷却水のチューブが破れたとか

というものです。冷却水は減っていませんから、1, 4は排除されます。カラカラ言っているとかないので、2は排除されるかなということで、まあ3でしょ、と目星をつけてサーモスタットを注文して交換しました。結論から言うと、これで不調は解除されました。

 

 さて、作業を紹介していきましょう。

冷却水を抜いて、ラジエーターを外さないといけません。(1) サイドのカウルを取り外す(T20ネジ3つ)、(2) プラグ交換するところのカバーを取り外す(プラスネジ4か所)、(3) ラジエターカバーを取り外す(M8ボルト3か所、うち1か所はカバーの下)を行います。写真は(3)の写真です。

 

ラジエター下部のドレンボルトを外して冷却水を抜きます。ラジエターの上にあるラジエターキャップも取り外しておきます。これで大雑把には冷却水が抜けるのですが、チューブを抜いたりしていると、ときどき追加で冷却水が出てきます。

青いキャップをかぶったような部品がサーモスタットです。エンジンの右側についています。作業的に狭いので、エンジンを抜いたほうがいいのかもしれませんが、このまま作業します。

作業するためには、こういう小型のレンチが必要です。1/4角のものです。8ミリのヘキサがついています。

ラジエターにつながっているチューブを、ラジエター側ですべて抜いておきます。

サーモスタットの左側のM8ボルトはエクステンダで、右側は小さなレンチでアクセスして外しました。左側が古いもの、右側のビニール袋に入っているものが新品。逆手順で取り付けます。

取り付け終わったので、冷却水を入れます。今回使うクーラント(冷却水)がこちら。ホームセンターで1300円ぐらいでした。面倒なので、薄めてある製品を買いました。緑色のクーラントが入っていたので、緑色に。赤色を混ぜると色が汚くなります。

ラジエターキャップのところからクーラントを入れます。空気抜きが大事です。エンジンをかけて、エンジンを温めます。クーラントは、ラジエターの下から入ってきて上に抜けます。ラジエターにつながっているチューブや、ラジエターの放熱フィン(アルミ製で柔いので注意)を触って、温かくなるまで待ちます。液面が下がってきたら追加するなどします。ぷくぷく空気が出ます。液面が下がらなくなったら、作業終了です。リザーバータンクにも冷却水を足すのを忘れないようにします。リザーバータンクのほうは、多かったら外に捨てるようなドレンラインがあるので、多すぎてもあまり問題はありません。

マジェスティSで重要なのは、ウォーターポンプのところの空気抜きをする必要があることです。マジェスティSのウォーターポンプは、エンジンの動力軸と直結しています(ウォーターポンプ用に別のポンプがあるわけではない)。ここの空気は頑張っても抜けません。工具で指しているボルトを緩め、エンジンを回して=ウォーターポンプを回して、ここから冷却水が漏れてきたらボルトを締めます。

 作業は以上です。有名バイクショップのホームページ掲載の作業工賃表を見ると、クーラント交換で2時間(なんでやねん)かかり、作業工賃は13,000円以上です。こんな金は払えないので、DIYはケチだからやっています。その他のパーソナルな理由もあります。

  • 歩いて行けるバイク店がヤマハのバイクを扱っていない。
  • ヤマハのバイクを取り扱っている店に持っていくと、暇なときにしか作業してもらえないので3-4日はかかる。
  • 作業時間は2時間+クーラント購入と昼食で1時間ぐらいという作業時間なので、もうやってしまおうという気持ちになる。

 でもまあ、それなりに疲れますね。以上!!